投資をするにあたり、法人で投資をしたらいいのか、個人でしたらいいのか。 割と悩むところだと思う。 でもこれはどのカテゴリでの投資を行うかで変わってくる。
法人化2000万円説
売上2000万円を超えたら法人化しなさいという人が多い。 法人は利益800万円までは15%、それを超えると25.5%になる。 さらに地方税もかかる。 さらにさらに、法人住民税7万円も課税される。 だからこれを超えない限りは個人で運用してた方がメリットがありますよ。ってのが2000万円説。
投資手法によっては初めから法人がおすすめ
株式投資のみで勝負したいのなら、法人化する必要は全くない。 なぜなら、上場株の株式売却益、配当所得は一律20%で他の所得は影響しない。 なので、個人のまま好きなように運用したらいいと思う。 ただ、不動産投資をするなら初めから法人化することをお勧めする。 なぜなら、不動産投資である程度収入増えてきたから、法人化しようと思っても、土地や建物の法人への権利移譲は税金がかかる。 不動産取得税など何だのがもう一度かかるし、価値の見極めを間違ってもお金がかかるし、そもそも作ったばかりの法人は買い取るお金もない。 え?自分の会社に自分の資産を移動できないの!?と思うかもしれないが、法人は別の人格として扱われるので当然譲渡にしても売却にしても税金がかかる。 だから不動産を買うなら初めから法人で買うことをお勧めする。
法人のメリット
税制
個人と法人では税制が全く違う。 個人で運用しているうちは個人所得となり、累進課税が適用される。 しかし、法人は法人税が適用される。 個人は収入が少ないうちは税金も非常に安い。 だが、増えるにつれて税金の割合も増える累進課税制度が適用される。 法人にはそれがない。 常に一定の税率となる。 これが最大のメリット。
自宅を経費にできる
自宅を自分で保有する法人で購入し、社宅として貸し出せば、家の部分は減価償却できる。
家賃を支払うことになるが、それでも驚くほど安い。 節税にもなり一石二鳥。
車も経費で落ちる
不動産を見に行くために車を使う、当たり前のことです。 なのでこれも経費で落ちるし、毎年減価償却もできる。 リースで借りればリース費用も全部経費計上できる。
退職金や保険をかけて節税できる
さらに保険や退職金積立などで所得を抑え、節税することもできる。 保険や退職金積立は非課税で積立することができる商品もある。
FXやビットコインの取引も損益通算できる
そのほかにも、個人でビットコインやFXで利益を得ると株式の売却益とは異なり雑所得となるが、法人は普通に所得となり、法人税が課税されるし損失が出てもその部分は損益通算もできる。 トレードのためにパソコンを買いました、インターネットに接続するために契約が必要です、その他諸々の費用は全部経費として計上できる。 個人ではビットコインやFXの収入は事業所得にできないため、これは一切できない。
法人のデメリット
ただし、法人を保有するのもデメリットがある。
法人住民税
法人は法人住民税が年7万円必ずかかる。 これが割と重い負担になる。 戸建て一棟目を貸すときなんか1ヶ月分の家賃丸々取られるようなもんだからね。
税務調査
さらに、法人はどれだけ小さくても税務調査の可能性がある。 個人事業主もそうだけど、法人は帳簿を毎年税務署に提出し、税務調査が入ったらそれに協力しなければならない。 経費が否認されると当然それに対して課税される。
税率
個人の累進課税とは違い法人税率が一定なのは収入が増えれば増えるほどメリットになるが、年収が低い時でも必ず取られる税負担が重い。
銀行口座が作りにくい
法人の銀行口座を作るのが難しい。 審査がとにかく降りない。 最初のうちはゆうちょ銀行の法人口座を作るのが一番手っ取り早いと思うが、1,300万円までしか預入できないため不便。 本来は給与の振込口座と同じ銀行で口座を作るのが望ましいが、設立したての時はとにかく審査落ちすると思う。 個人の口座を法人用に使ってもいいのだが、どれが法人の取引でどれが個人の取引なのか常にわかるようにしていなければならない。 ウェブサイト持ってなきゃダメとか審査の基準が不明瞭かつわかりにくいため、割と色々面倒くさい。
オンラインバンキングも有料
法人のオンラインバンキングは基本的に有料。 月2,000円くらい取られる。 個人では無料だが、法人は基本的に有料。
法人の運用は基本的に面倒臭い。 大いに税金が絡んでくるのでしょうがないんだけど。
継続していけるかどうか
途中で嫌になり諦めるなら法人は作らない方がいい。 作るにも維持するにも解散するにもお金がかかる。 でも、維持し続けられるなら大変便利なシステムでもある。 投資には不可欠と言ってもいい。 投資は計画性、継続性が大切なので、お金を貯めつつどう運用していくかの道具の一つとして法人の保有も考えよう。