巷では不正経理などなんだのと某NPO法人が叩かれているけど、忙しいからそんなのいちいち取って置いてない!って言ってるとかなんとか。 さて、会社が忙しかったから領収書もらわなかった、ってことは許されるのかどうなのか。
許されない
税務調査が入った時、経費として認められないので修正申告が必要になる。 しかも保管期限は法人・個人事業主問わず7年が基本。 法人で繰越欠損金の控除(赤字を次年度以降に繰り越し)の適用を受けるなら領収書の保管期間はのびて10年になる。 これが非常に大変で邪魔くさい。 感熱紙だと消えちゃったりするし。
正確に財務諸表を作っていないと頻繁に調査が入る
うちは10年に1度程度しか税務調査は入らないが、適当につけている法人はすぐ税務調査が入る。 脱税として認定されると追徴課税が待っているし、ひどいと刑事罰まで適用される。 かなり厳しい。 税務調査が入る時にあらかじめ連絡がくるが、その時までに領収書などの保管期限までの資料を完璧に用意しておかないとすぐ突っ込まれる。 これもまた大変。 精神がやられる。
脱税と申告漏れは違う
人間誰にでもミスはあるものだし、税務署もミスを見つけても修正申告するよう指導してくるだけで、脱税にはならない。 ただしあまりにもミスが多かったりすると脱税として認定されてしまうこともあるので、帳簿は正確につけなければならない。 それに、経費として申告したものに対して領収書がなければ経費に当然ならない。
経費って何?
法人の経費は、売上に対してかかったお金のことを指す。 例えば、人件費や仕入れ、接待した時の飲食代、出張費用など様々。 商行為を行う者は領収書を発行する義務がある。 だからもしお金をその企業に払ったら必ず領収書がもらえるようになっている。 品物を売って売上10,000円を得たけど、その仕入れに6000円かかりました。 さらに出張も必要でした。 JRで移動したので移動費2,000円かかりました。 これが経費。 単純に計算すると10,000-(2,000+6,000) = 2000円が課税対象の売上になるってことだね。 もしこの経費の制度がなければ10,000円に対して課税されてしまう。 法人税と住民税合わせて50%だとしたら、10,000円の売上に対して5,000円を税として納めなければならないが、経費を計上することによって2,000円に対しての課税となるため、1,000円で済むってわけ。
領収書がないとどうなるの?
先ほども言った通り当然追徴課税、悪質なら脱税となる。 弁護士がどう言おうと関係がない。 弁護士といえども法律を曲げることはできない。 領収書を提出できないということは経費として認められないから修正申告しなければならないし、もし反社会的組織にお金が流れていたら犯罪だし、色々なところから寄付を受けていたとしてもそれは雑収入となり、非課税対象にはならないとなれば雑収入かなんかになって課税対象になる。
NPO法人側は領収書を提出すればいいだけ
法人は領収書の再発行義務がないとはいえ、相手法人も請求書の保管義務があるから、請求書の再発行などはすぐにやってくれる。 だから提出できないってことはあり得ないんだよね。 なぜあそこまで抵抗するのか、悪いことをしてるんじゃないか?と思われても仕方がない。 給食を支給しているのであれば当然仕入が必要になるし、振り込めば銀行口座に振込履歴が残るし、現金払いであったとしてもその仕入先は請求書を保管している。 だからそれを開示すればいいだけ。 さらに、その経費を元に自治体から給付金を申請しているとしたら、その給付金申請自体が虚偽となるため、不正受給ということで犯罪行為になる。
NPO側は領収書や請求書の提出義務がある
NPO側が弁護士を立てているけれど、あくまで名誉毀損でということで領収書の提出義務がなくなるわけではない。 だから国税なりなんなりが動く可能性は大いにあるし、自治体側が不正自給として認めれば返還を求める訴訟なども起きるかもしれない。 領収書などの事実を担保する資料を提出できない限り不利としか言いようのない状況かなと自分的には思います。